保育のカラー 保育者の個性
園長に私が見た事実を伝え、これが園の方針なのか確認をした。
まず園長の口から出た言葉は
「そのひと場面だけを切り取って考えるのは控えてほしい。」
私は意表をつかれた。
園の責任者である園長ならまずその事実に驚き、早急に担任に指導を行うのだとばかり思っていた。
「担任には叱る?というよりは、まあ伝えておきます。」
大変な問題にも関わらずそんな返答しかしないのかと怒りを覚え、前から気になっていた発表会の指導の方法についても質問を重ねた。
「この園では保育者の個性を押さえつけないので、保育のやり方には保育者のカラーが出る。」
「保育者のカラーをかぶった保育を園の方針だと誤解はしないでほしい。」
どう返していいかわからず、この時は園長の返答を聞くしかなかった。
しかし後にこの返答を踏まえて私が思ったことは
・場面を切り取るもなにも私が見た場面は事実であり、それは許されてはいけない事であるのは確かなはずである。嘔吐したものが入ったままの食器で、そもそも嘔吐するまで無理に食べさせること自体が人間の扱いとは思えない。
・保育者の個性を尊重する事と、間違った保育を容認することは違うはずだ。間違った保育は間違った保育でしかない。個性として認めるべきものではない。
・私だけではなく、保護者であっても保育者が行う保育のやり方こそ園の方針だと捉えるのが普通ではないか。
ちなみに普段園長は保育の現場を見回っている様子もない。
話し合いの最後に園長は少し笑いながら「ショックだった?」と聞いてきたことにも驚いた。
聞くまでもなく当然である。
園長はこの事実にショックを受けなかったのだろうか。