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波風立てず

次の日、研修の最中に園長の奥さんから呼び出しがかかった。

(家族経営の園で、奥さんも先生をしている。)

 

「園長からお話は聞きました。ショックを受けましたよね。まずはお詫びいたします。詳しく話してもらえませんか?」

責められるようならすぐにでも辞めようと思っていた私は、少し安心して話をさせていただくことにした。

 

私は事実を話した。

○○ちゃんの名前を出したとたんに先生は「ああ。やはり。」という表情になった。

先生の話から○○ちゃんは食に課題を抱えている子で、咀嚼もしづらいために食の進みが遅いのだとわかった。

だったらなおさらあの指導の方法は、○○ちゃんに食に対してのトラウマを抱えさせてしまい課題の解決にはつながらないのではないか?とさらに疑問を持った。

「その子の背景はわかりました。しかし保護者が見たら批判するであろう保育の仕方は、絶対にしてはいけないのではないですか?」

これに対しての先生の返答は

「この園もまだ発展途上で、古い保育は変えていかねばならないと私も思っています。なかには変化に柔軟な先生もいらっしゃるのですが、そうではない先生もいるのが事実です。ベテランの先生ほど自分の経験を否定されることによってプライドが傷つく恐れがあります。だからこそ、新しく入ってくる先生方にはチームワークをしっかり持って頑張ってほしい。」

 

他にも聞いた話では

「前は1年目で辞めた先生がいた。前例がなく私も驚いた。最低2年は続けてほしい。」

「これからは先生方が休みを取りやすい環境を作ったり、私は引退しますが無給で(ここをかなり強調していた)保育の現場を見回ろうと考えています。」

「いい先生もいるのでそういった人をお手本にしてほしい。」

「意見してくれた事は素晴らしいです。私はとがっている人は嫌いじゃない、でもとがっているだけではダメ。チームワークですから協調性も必要ですよね。」

「研修生のシフトを作ったり担当のクラスを決めたのは主任の先生達(比較的キツめの先生方)だからあなたの話を聞いたときに、なるほどと思った。」

 

色々話してはくださったが、やはり「波風立てず」といった感じであった。いつ、どのように対応してもらえるのかもよくわからなかった。

1年目で辞めてくれるなよという威圧と、とがっているという言葉になんとなく皮肉を感じたようにも思えたが…。

しかし何かあればまた話を聞いてもらえるし、味方はしてもらえるかもしれないというわずかな希望は持てた。

 

正直かなり深刻な問題であるはずなのに、現場での対応はこんなものなのかと感じた。

私が保護者なら絶対に納得はできないだろう。